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アルバイト最後の日・お店
バイト(山田) 天野さん、いよいよ今日で最後ですね。明日から一緒に働けないと思うと
何だか寂しいです。
天野 (三宅) ・・・・・（うなずきながら）山田さんも頑張るのよ！
バイト(山田) はい、がんばります。
店長（安藤） おはようございます。みんなも知っているように、
今日で天野さんが最後です。
（天野さんの顔を見ながら、軽く会釈をして・・・）。
天野さん、長い間ご苦労さまでした。あと今日、一日です、
頑張ってください。
じゃあ、みんな、しっかりやりましょう。
全員 エイエイオー！（左手を腰にあて、こぶしを上げる）
回想シーン
お店の前で
（求人広告に目をやりながら）
天野 (三宅) 私もそろそろ働こうかな・・・時給７００円か。。
天野 (三宅) （恐る恐る・・・）あの〜すいません。
表のアルバイト募集のことで話が聞きたいんですが・
店長（安藤） （忙しそうに・・・・他のお客さんに対して）
いらっしいませ、はい、ありがとうございました。
天野(三宅) あの〜
店長（安藤） （軽く手で制して・・・・・）ちょっと待っててください。
天野 (三宅) はい。
店長（安藤） すいません。待たせてしまって、パートの件ですよね。
じゃあ明日履歴書を持って来てください。
少し早いですけど、朝９時３０分までに来てくださいね。
天野 (三宅) はい、わかりました。よろしくお願いします。
夕食・自宅
天野 (三宅) あのね、私、働こうと思うの？
みんな、どう思う？
娘 (寺沢) 本当に？お母さん・・・
亭主（山田） まだ子供も１年生だし、もう少し待ったらどうだ。
祖父（安藤） （よぼよぼ風で）いったい、どこで働くつもりじゃ？
天野 (三宅) パン屋さんよ
娘 (寺沢) やったー！ 私、パン、大好きだから賛成よ！お母さん。
天野 (三宅) ありがとう。
祖父（安藤） わしゃ、歯が悪いで反対じゃの〜。だいたいパンはむせるしの〜
祖母（保母） おじいさんはパンが喉のつまって死にそうになったことがあるしね・・・
祖父（安藤） 二人が、付き合っとる時分やの
祖母（保母） おじいさんたらっ！ 恥ずかしい。。初めてのキスは満州だったわね。。
初体験は・・・小屋の中だったわね。やだ〜体が火照っちゃうじゃないの〜
祖父（安藤） 途中で見回りの人が来てな・・・あの時はびっくりしたもんだ。ばれたらいかんで、わしが馬の泣きまねをしてな、ばあさんが豚の泣きまねをしたんじゃ・・・
祖父（安藤） ヒヒヒーン・・・ヒヒヒーン・・（連続で）
祖母（保母） ブーブーブー ブーブーブー（連続で）
娘 (寺沢) それで、どうなったの？見つかったの・・・（興味深々で）
天野 (三宅) 子供がそんなことを聞くもんじゃないの！
祖父（安藤） わしの方が ちょっと泣き声が 上手やったんや〜
亭主（山田） それで、馬勝った。か！ 出たー！・・・
天野 (三宅) 今日、行ったパン屋さんとおんなじやね！
全員 うまかった。うまかった。馬勝った 美味かった。（連発）
亭主（山田） みんな しょうがないな。おじいさん！味も美味しいけど、最近のパンは柔らかいらしいよ。それ、それ、、なんだったかな〜？あの・・・・白 赤 緑。。。黄じゃない 黒 それそれ そや！ くろわさん とかいうのは特に柔らかいらしいぞ。（妙に納得気に・・・・）
祖父（安藤） くろわさん？
祖母（保母） そりゃ、山の名前かの？
娘 (寺沢) 違うわよ〜 中がす・か・す・か・なの（ゆっくり）
祖父（安藤） ほー、すかすかな山か！ ほー。
亭主（山田） まあ、おっさんでも、馬でも豚でも山でもすかすかでも何でもええわ。
祖母（保母） それで、時々は 内緒で持って帰れるんか？
天野 (三宅) そりゃ〜もちろんよ！
全員 そりゃええ そりゃええ
娘 (寺沢) では、時間もかなりたっております。議論は出尽くしたようですので、決議にうつります。、このへんで、多数決をとります。（太い声で）
亭主（山田） いったい、お前は何年生だ？
娘（寺沢） ぴかぴかの一年生♪（軽く歌う）
天野（三宅） ぴかぴかの三十歳♪（軽く歌う）
娘（寺沢） じゃあ多数決ね〜 アルカリ性の人、？
亭主（山田） おい！
娘（寺沢） う〜ん、間違えた。。賛成の人！
全員 はーい （全員手を挙げる）
亭主（山田） あのな〜、お前まで手を挙げてどうする。（天野を指差して）
天野 (三宅) （げんこつで軽く自分の頭を叩く真似をして） いっけなーい。
じゃあ、明日、面接に行ってくるわ。
祖父（安藤） （がっかりした様子で）・・・何だ、まだ食べられんのか！
ヒヒヒーン・・・ヒヒヒーン・・
祖母（保母） ひゃあ〜そりゃ残念やね、おじいさん。
ブーブーブー ブーブーブー（連続で）
亭主（山田） それは、もうええつーの・・・
まあ、やるからには頑張ってやりなさい。
娘 (寺沢) おかあさん ガンバ！（軽くガッツポーズ）
天野 (三宅) みんな、ありがとう。 私、頑張っちゃう！
天野・娘 ぴかぴかの一年生♪（二人で手をつないで歌う）
面接会場・お店
店長（安藤） おはようございます。・・・・（履歴書を見ながら）
え〜お名前は何とお読みするのかな？
あまやさん？ てんのさん？・・・ てんやさん？
（えらく納得した様子で手を打って天野を指差して）
てんやさんだよね。（大きな声）
なんだ〜 てんや、わんやさん。。。か〜
さすが、獅子てんや 瀬戸わんや
天野 (三宅) 二人とも死んでいません。（あきれた風に）それに読み方も違います。
店長（安藤） じゃあいったい 何てお読みするのかな？
天野 (三宅) あまのです。
店長（安藤） 変わった読み方だね。。。ほー・・（不思議そうに馬鹿っぽく）
で、どうして、ここで働こうと思いました？（急に真顔で）
天野 (三宅) 最近のパンは柔らかくて、お持ち帰りができると思ったので・
（しまった風に口に手を当てる）・
店長（安藤） は〜！？？？
天野 (三宅) じゃあ〜なくて・・・えっと 家じゅうパンが大好きなんです。
店長（安藤） そう！たまには私の目を盗んでくろわさんを持って帰れるとか
思ってないですか？
天野 (三宅) （ラケットを振るまねをしながら）・・・・ピンポーン！
店長（安藤） （インターホンを押しながら）・・・・ピンポーン！
妙に息が合うね！
天野 (三宅) 店長！ 手紙を書きます。。ペンハンド！
店長（安藤） てんや君！ 握手をしましょう。シェイクハンド！
（二人で握手をして）・・・・・
店長（安藤） （握手したまま見つめ合って・・・・） 採用です。
天野 （ラケットを振るまねをしながら）本当に？
店長（安藤） （ラケットを振るまねをしながら）採用です。
店長・天野 二人で抱き合う・・・
店長（安藤） 頑張るんだよ。（抱き合ったまま）
天野(三宅) よろしくお願いします。（抱き合ったまま）
家に戻って・自宅
娘 (寺沢) どうだった お母さん？
天野 (三宅) ばっちりよ。少し痛んだ店長だったけど。明日から来てくださいって。
亭主（山田） そりゃ、よかった。おめでとう。。
天野 (三宅) みんな 良さそうな人ばかりで安心したわ。面接で抱き合っちゃって
大変だったのよ〜
亭主（山田） そりゃ、よかった。おめでとう。
娘 (寺沢) それ、おかしくない！（今風に）
パート初日・お店
店長（安藤） 今日から、ここで働いてもらうことになった、てんやさんです。
みんな仲良くしてあげてください。
天野 (三宅) はじめまして、わんやです。よろしくお願いします。
バイト（山田） 店長！それじゃ、てんや・わんや じゃないですか！
バイト（寺沢） ここの職場にぴったりやね〜
全員 はっはっはっはっ・・・みんなで笑う
しばらくしてから・お店
店長（安藤） （厳しい口調で）・・・・天野さん、ちょっと
天野 (三宅) 何でしょうか？
店長（安藤） 何でしょうかじゃないよ。天野さん！ 君の焼いたパン、とてもお客さんにお出しできるようなものじゃないよ。いったい、何をしているんだ。！今まで何回も同じことを言わせて、いったい君は何回同じ言わせれば気が済むんだ！
天野 (三宅) ６回です。
店長（安藤） いったい、何をしているんだ
いったい、何をしているんだ
いったい、何をしているんだ
いったい、何をしているんだ
（ふーふー言いながら・・・）。今、何回目！？
天野 (三宅) ３回目です。
店長（安藤） ごまかすな！
バイト(山田) ４回目です。
店長（安藤） 何で君が数えてる？！
天野 (三宅) （ラケットを振りながら）山田さん正解！・・・・ピンポーン！
店長（安藤） （インターホンを押しながら）・・・ピンポーン！正解かよ・・
息が合うね！・・・・違うだろ！（ひとりぼけつっこみ）
早く焼き直して・・・・もっと、しっかりやりなさい。本当に情けない！
天野 (三宅) 泣きながら、、、すいません。 （大げさに袖を噛む・・・）
バイト(山田) （小さい声で・・・・）天野さん、大丈夫。私もね、入った頃はいつも叱られて泣いてばかりいたわよ。店長も厳しいけどあなたのことを思って言ってるのよ。手伝うから、さあ、一緒にやりましょ。元気出して！
天野 (三宅) （大泣きしながら・・・・）すいません。ありがとうございます。
バイト・天野 （二人で熱い抱擁）
月日はたって・お店
店長（安藤） 天野さん、随分と慣れたね。もう安心して見ていられるよ。今月から時給760円にするからね。前は厳しいこと言って叱ってわるかったね。。。
天野 (三宅) いえ、そんなことないです。ありがとうございます。
入って初めての昇給です。（大き目の声で）（ガッツポーズ）
店長（安藤） （驚き笑いで）はっきり言うね〜
それと、今日から新らしいバイトが入るから、面倒みてやってくれよ。
天野 (三宅) はい、わかりました。（敬礼ポーズ）
新人（山田） 今日から、お世話になります山田です。よろしくお願いします。
全員 拍手をし終わり敬礼ポーズ
新人（山田） ガッツポーズ
再び月日はたって・お店
店長（安藤） 山田さん！ いったい、何やってるの。。。丸こげじゃないか。こんなパ ンじゃお客さんから、お金なんかもらえないよ！ ぼーとしてないで しっかりしなさい！
新人（山田） （泣きながら・・・）すいません。気をつけます。
天野 (三宅) 山田さん、大丈夫。私も初めの頃はよく叱られて今の山田さんのようによく泣いていたわよ。順番にわかってくるから、大丈夫よ。店長も憎くて叱ってるんじゃないから・・・・元気出してバンガロー！
新人（山田） バンガローでガンバローですか？ （こけながら）
はい、ありがとうございます。
運動会の反省会
自宅で
天野 (三宅) 今日ね、運動会の反省会があるの。
娘 （寺沢） うーん。誰と・・・・
天野 (三宅) PTA の三宅さんでしょ、安藤さん、寺沢さん、それにスポ少の保母さん。あと子連の山田さん。川辺さん。さちの由美ちゃんに上森さん、、、らしいわよ。
亭主（山田） 何だか、おかしなメンバーだな！？
天野 (三宅) 誘われたから断れなくて。。。（しぶしぶ風に）
カラオケボックス
保母 剛、 今日は誕生日おめでとう！
剛 感無量で・・・・う、、言葉にならない。
全員 ハッピーバースデイツーユー
ハッピーバースデイツーユー
ハッピーバースデイツーユー ディア剛
ハッピーバースデイツーユー 拍手
剛 （泣きながら） 本当にありがとう、まさかこんなことしてくれるなんてこの歳になって、夢でも見てるみたい。ありがとう、、、、、
保母 ところで、天野さん。誕生日はいつなの？
天野 (三宅) 先月、もう終わっちゃってます。
保母 本当に？ 言ってくれたら、剛なんかどうでもよかったのに、、、
剛 おーい！ そんなもんかよ！
保母 おかしな会に来て、、後悔してない？
天野 (三宅) いえ〜。。私、みなさんと知り合えて本当に良かったと思ってます。
剛 そんなこと言うと、また誘っっちゃうよ。
天野 (三宅) はい、また誘ってください。
剛 本当！ やりー！（かなり大げさのガッツポーズ）
全員 ハッピーバースデイツーユー
ハッピーバースデイツーユー
ハッピーバースデイツーユー
（横で剛が泣いている・・・・）ありがとう。
決断の日・お店
天野 (三宅) 店長、話があります。
店長（安藤） 天野さん、話って、何かな
天野 (三宅) 実は私、昔働いていた会社から来ないかと誘われていて、いろいろと迷いましたが、お世話になろうと思って。突然ですいませんが２月中頃で辞めさせてもらえないでしょうか。
店長（安藤） ・・・・・・・・無言・・・・（困った風）
天野 (三宅) 長いことお世話になって本当に・・・すいません。
店長（安藤） 今、君に辞められたら、本当は困るんだけど、仕方ないね。君が決めたことだから、僕には何もいえないよ。次の会社でも頑張ってやりなさい。天野さんなら、大丈夫、、。
天野 (三宅) ありがとうございます。そう言ってもらえると助かります。
本当にありがとうございます。
バイト（山田） お礼なんていいよ！
店長（安藤） 君じゃないだろ！（山田を指差しながら）あれが一番、心配なんだよね。。
店長（安藤） それで、いつまで来られるって？十五日だったっけ？
天野 (三宅) （ラケット振りながら） ピンポーン
店長（安藤） （インターホン押しながら） ピンポーン
天野 (三宅) 息合いますね・・・
店長（安藤） まったく （大笑い）
最後の日 当日（もとのシーンに戻る）
店長（安藤） 今日で最後だね。
天野 (三宅) はい、何だか、あっという間でした。みんな良い方ばかりで本当に良かったです。ありがとうございました。
バイト（山田） また、近くまで来たら寄ってくださいね。昼でも夜（寄る）？とかね
バイト（保母） 寒っ！（山田を指差しながら）あれが心配なんだよね。。
全員 はははっ（大笑い）
花屋（寺沢） （一同で盛り上がっているところに）あの〜 そこの花屋ですけど、こちらに天野さんという方 おみえでしょうか？
天野 (三宅) 私ですけど・・・
花屋（寺沢） 陶の友人一同様から花束のお届けです。
長い間、本当にご苦労さまでした。
また新しい会社で頑張ってください。
天野 (三宅) （驚きと感激の様子で受け取る）
（一人一言添えて小さな花束を渡す。）
川辺（本人） 天野さん、本当にご苦労さまでした。
加藤（本人） 天野さん、本当にご苦労さまでした。
上森（本人） 天野さん、本当にご苦労さまでした。
三宅（本人） 天野さん、本当にご苦労さまでした。（花屋からの花束を渡す）
出演者全員 （偽天野が本物天野に花束を渡してみんなで、大きな拍手 喝采）
天野（本人） ・・・・・・・・感涙（予測）・・・・・・・・・
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